2011年も残り少なくなってまいりました。
本年当会がどのような活動を行ってきたか、
代表的なものだけですが、こんぶ生育環境改善事業として
当会が位置づけている事業のひとつを、
ここでご紹介しておきたいと思います。
本年は環境再生保全機構から地球環境基金助成金の採択を受け、
こんぶ陸上養殖技術を活用した「海のもりづくり」活動という事業を
行っております。
この事業は、コンブ礁を設置して、その礁に養殖したコンブの種苗糸を組み込み、
海中のコンブ密度を上げようという、単純な植林活動です。
なぜ、その単純な事業に助成が受けられたかと言うと、
礁自体が小型で少人数で取り扱いが出来、冬場の日本海の荒天にも
流失しないという不思議な特性を持つもの(石詰藻場礁)だからです。
これを設置して、経年的な観測をしたいと思い、その初年度として
各団体の助成メニューに挑戦しての採択です。
事業が成功すれば、コンブの森が出来あがります。
実際はそれだけではなく、礁自体が空隙を持つ構造であるために、
その内部にアワビやウニ、ナマコといった生物をたくさん抱える
豊かな海に出来るだろうと考えているのです。
実際の活動予定には、年間数回の海洋調査と、
予備的にコンブの着生を改善するための岩盤剥離作業とを組み合わせており、
それぞれ対照区を設定して実際の効果があったのかどうかを測定できる
ように工夫しました。
基金事業の一環として、8月4日(日)には、道南のせたな町内で事前調査をしました。
礁を投入する海域がどのようになっているかを確認するためのものです。
今回海域として選んだ場所は、海底に投石を行って小さな岩礁地帯を作った
「投石漁場」と呼ばれる場所です。
調査の結果では、夏場ということもあってコンブは少なく、
成熟して葉を失ったワカメのメカブや、モク類などの海藻が
まばらに生えている程度でした。
ここはもともとコンブが生えていた地域ですが、最近ではウニ等が増え、
コンブが食べつくされてしまってなかなかコンブの森になりません。
今回は、地域のお祭りの関係でこの一帯のウニを採り、
掴みどり等のイベントに使用したため、ウニがほとんどいません。
コンブを生やす実験としては理想的な環境であることを確認できました。
10月22日(土)には、作業船を呼びこんで岩盤剥離作業を行いました。
以前、このブログでご紹介したことのある「海拓」作業船です。
本当は、この作業を予定していたのは9月下旬でした。ところが、
今年は日本海側での悪天候が多く、作業予定が大幅に遅れてしまって
10月下旬にまでズレこんでしまったのです。
投石漁場にある岩礁域は、何か所かに分かれています。そのうちの二か所を選び、
その半分ずつを海拓作業船で岩盤剥離してもらいます。

クレーンで吊り上げたチェーンを回し、海底の岩盤をこすることで
雑海藻を除草し、基質を露出させてコンブが着生しやすくするわけです。
もともとは道東沿岸等で作業しているのですが、その際には
船上に夥しい量の雑海藻が打ち上げられると聞きます。

ですが今回の作業ではほとんど雑海藻が上がってこず、厳しい日本海側の
現実を垣間見た思いがしました。

引き続いて11月28日(月)には、当該地域に礁を投入しました。
これは、海中に漂っている海藻胞子を用いて、天然の状態に近い
植生の礁が作れるかどうかを試す「天然採苗」方式の試験です。
天然のコンブ胞子が海中を漂っている時期は秋口~冬にかけてですから、
この時期に沈設できなければアウトというギリギリのタイミングでした。
また、この時点で養殖種苗は、陸上養殖施設で着生を終えたばかり、
芽も見えない状態です。こちらの養殖種苗については、年明け以降、
礁に組み込んで沈設します。

今年は、理事企業である(株)GEL-Designと北海道大学、ノーステック財団と
当会による地域イノベーション事業(高機能ジェルを活用したコンブ目藻類の
藻場育成システムの開発)の開発最終年度でもあり、(株)三和建設との
陸上養殖こんぶの販売戦略でも、道立工業技術センター(函館)とともに、
新たな試みに取り組んでいます。
2012年以降にはこれらが新たなビジネスチャンスとして結実し、
北海道とコンブの未来を明るくすることができるよう、これからも
微力を尽くしていきたいと思います。










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